どこかの国、紫煙とジメジメした匂いの貧しい国。
ハーレムのような街に迷い込んでいる。
数人の日本人もいる、いや中国人か韓国人かもしれない。
コンクリートのがれきのような冷たい街。
恐怖。
ボクはビルの隙間の朽ちたドアーを開けて小さな空間へ入る。
エレベーターが・・・。その中に・・・線路が。
鉄の塊のような電車が来る。
トークンを入れて乗る。乗ってしまう。
乗ったら地下鉄だったのだ。
乗客は誰もいない。
次の駅で降りる。
狭い階段を登って外へ出ると、下町の住宅地のようだ。
恐怖心はあるが、怖くはない。
新築の2階建てモルタルのアパート、外に洗面台が5台並んでいる。
それぞれにヘアーブラシ類がセットされていて、鏡台も付いている。
こんな処に住んだらどんな人生になるんだろうかと、考える。
再び地下鉄のホームにいる。
数人の黒人たちとナッツを食べながら、電車を待つ。
ボクはいたずらして、ナッツの中に硬いコーヒー豆を混ぜる。
それがバレて皆で大笑いしている。
電車が来る。
しかし、ホームが違う。失敗した。
帰りは反対側のホームへ行かなければならないのだ。
間に合わない。
電車の中の人々が、ボクに残念そうなアクションをする。
ボクもオーバーゼスチャーでリアクションした。
電車は夢の銀河鉄道のように走り去った。
突然シーンが変わった。
大きな駅にいる。
人々が大勢いる。
(うつつの世界に戻った)