なぜだか、久米 宏さんと手をつないで歩いている。
何処だかは定かでない駅前の雑踏、中央線の御茶ノ水駅に似ていると、ふと感じる。
人ごみの他人の目を意識してなぜ、久米さんと手をつないで歩くのか?
嫌な男、姑息な自分の性格を認識しながら歩いているのだった。
自分を殺したい奴だと、憎みながら笑顔を創って歩いているのだ。
楽器屋のショーウインドウの中に、檻があってその中に小さなステゴサウルスのような恐竜と共に、これも小さなヘラクレスが全裸でいる。
檻の中なので、ボクは安心して、寝そべりながら指先でヘラクレスをからかっている。
そんなことしながら、またボクはなんて嫌な奴なんだと言う想いがふつふつと湧いてきた。
自分の本質を探るように見つめている自分がいる。
ヘラクレスとステゴサウルスが笑っているのだ。
他人は、こんな自分をどう見ているのだろうか?
自分には気がつかなかった、本当の自分の姿はこれなのか?
なんだか、ぼんやりした気分で目覚めたのであった。