伯仲した企画会議だ。
日本人の社長とアメリカ人クライアントとボクが、タレントのパブリシティの打ち合わせをしている。
社長のオフィスである。
この社長は初対面の人であった。(夢の登場人物が初対面?)
10坪ほどの雑然とした、それほど整頓はされていないオフィスだ。
机が7脚くらい、社長は一番端にある自分の椅子には座らずに、社員の椅子に座っている。
妙に何かに遠慮して、おどおどした社長なのだ。
アメリカ人のクライアントは、始終難しい顔を作って無言である。
ボクだけが、何やら懸命にプレゼンテーションしているのだ。
そこへ一人の社員が来て、ボクの座っているデスクで何かを探している。
そこが彼の席らしいので、ボクがどいてあげる。
彼はなんと、机の上に乗って探し物をしている。
彼の顔を見ると、どこかで会った奴だ。
そうだ、このデブな青年・・・数年前よみうりテレビのドキュメンタリー番組の撮影で、一緒にメルボルンへ行ったディレクターのよこた君じゃないか。
あの時はたしか、メルボルンから大阪までのダブルハンド・ヨットレースの撮影だった。
よこた君に声をかけると、「先生、お久しぶりです」
と、大きな巨体で応えてくれた。
彼がボクを知っていることで、ボクの信頼感が増したようだ。
よかったぁと安堵した。