夜の波止場の桟橋に、透明な壁(多分ガラスか?)のベッドルーム。
群青色の小さな世界に、ふたつだけ灯りが点っている。
なんだか、シュールリアリズム感がいっぱいだ。
ベッドには、ポール・デルヴォーが描き出したような金髪の裸婦が純白の裸身を横たえている。
その傍らに、ココア色のストールを裸身に巻いただけの少女が佇んでいる。
裸婦は長いまつ毛の目を伏せている。
形の良い乳房が静かに波打っている。
可愛い鼓動さえ聞こえるようだ。
夜の波止場に魚釣りに来たボクは、この情景にたじろぎ、逡巡する。
少女が早くいらっしゃいとつぶらな青い瞳で促す。
ボクはベッドに近づき、幻想的な光の中で愛撫を・・・
待て、これは何かのおとり捜査か何かかも・・・
飾り窓の女はオランダで見たが、これは明らかに違う。
ボクは竜宮城の浦島太郎じゃないぞ。
ここは何処の国?
待て待て・・・ボクは最近出国してないし・・・
えっ?えっ?
その時、あさき夢の中で気が付いた。
これが夢であることを・・・。
(今日は何だか夢を沢山見た。新幹線の中や、学校の授業中や、いも掘りや・・・
でも、鮮烈に覚えているのはこの夢だった。将にシュールリアリズムの世界の旅。
なんだか徳をした気分なり。)