闇夜の街を独り歩いている。
黒く鈍よりしたアスファルト・・・
その黒いキャンバスに、更に漆黒の模様が蠢く。
それは、ボクの影だ。
ボクの分身だ。
闇夜にも、ほんの微かな光があり影を産みだすのか・・・。
影がコツコツと歩く。
音楽が聞こえて来た。
オクラフォマミキサー。
身体が自然に動く。
そこへ向かって、歩く速度が速くなる。
あった!
メリーゴーラウンド!
カルーセル!
でも、その回転木馬には一頭の馬もいない。
大きな布のない破れ傘のように、骨だけが廻っている。
軽快なオクラフォマミキサーが不気味に聞こえる。
その時、突然の大音響が・・・
電柱のスピーカーが、避難勧告を叫んでいる!
キュルキュルキュル!地震です!地震です!地震です!
4時22分・・・一気に起こされた。
(夜明けの地震警報で、夢が切断された。いや、その警報発令の瞬時に夢が出来たのだろう。驚いた。三陸沿岸にまだ津波注意報が発令されている。何事もなければいいが・・・。)