なんだか、駅前の市民会館のようなビルの3階あたり。
典型的なセミナー会場だ。
ボクが演壇で講演をしている。
「近頃、この国の流行りもの・・・なんでしょう?」
「これは、男だけに顕著な問題です」
会場を見回すと、集まってくれたお客さんは男ばっかり。
しかも、おっさんと爺さんばかりだ。
どこかで見た政治家や経済人やジャーナリストや芸能人もいる。
冗談じゃないぞ。
ボクは女性相手のセミナーは好きだけれど・・・。
まぁ、仕方がないな。
「今、この国では権力や金力を、そこそこ極めた奴に限って、晩節を汚している」
「晩節とは、人生の晩年の節操だ。」
「人生の最終節は、悪人でさえ善人で終わりたいと願うものだ。
親鸞も、歎異抄でそんなことを言っていた。」
「でも、この国の政界権力者や大企業経営者、官僚はちっぽけな欲に溺れて身を汚し、滅ぼす大バカ者ばかりだ。」
「なぜ、日本の男たちには、ノブリスオブリージェがないのだろう」
「金や権力を持つと、人間の優しさや温かさを失くしてしまうのだろう」
「そんな奴らに限って、若者達に愚にもつかない説教をたれている」
「お笑いだね」
「だから、みなさんは権力や金を人生の目標なんかにしない方がいい」
さて、と会場を見回すと・・・
おっさんたちは、みんな帰っちまって、ボクのスタッフだけが楽しそうにボクを見つめている。
(実は、寝る前に以前書いた自分のブログを何気なく読んでいた。「そこに晩節を汚す」と言うタイトルで書いてあったのだ。それが、そのまま夢にまで入り込んで来たのだろう。これはボクが本心でそう思っていることだ。権力や金に溺れる奴を見るのは辛いよね。)