夢想・・・
真夏の夜の夢。
ここは何処だ?
パリのシャーウッドの森。
または、良く手入れされたメルボルンの林。
いや、カリブのサン・サルバトルの密林だ。
夜空を焦がすような、松明の明り。
心が燃えつくしてしまうようなラテンの4拍子
ラテンパーカッション。
ボンゴのスピーディな打音に、コンガのミュートが合わせる
そこにギロが追い付き、クラベスが何気なく加わる
陽気なマラカスも黙っちゃいない。
大輪の花火の七色しずくが降りかかる。
心まで、とろけるような南国の夜。
いつしか、木陰から現れて来た乙女たち
立待、発酵したエロスの象徴になってゆく。
A・マルティニの「海の精」のような長い髪の裸婦。
阿修羅のような複数の手を持った、闘争の瞳の妖婦。
威圧するような乳房を見せつける魔婦。
ボクは、自分の脳裏から闘争の本能を引きずり出さなくてはならない。
こりゃ、大変なことになってきたぞ。
少し、非現実的な現象を感じ始めている。
もう一度、目を閉じる。
夜来、風雨の声、花、落ること知る多少・・・
朧の中から、現実が見えて来た。
開けたままの窓から、暴れた風雨が吹き込んできやがった。
冷てーぇ!
(うっかり窓を網戸にしたまま、眠ってしまった。明け方、突っ風と共に雨が吹き込んできて、目が覚めた。その一瞬の刹那の夢なのだろう。夢想・夢の中の夢。凄い女性たちばかりが現れた。もう少し続きを見たいが、見ない方が幸せかも知れないな。)