緑織りなすサバンナの草木も、すでに朽ち果て・・・
乾いた風に枯れ枝が舞い上がる。
人々の群れは、背を丸め言葉もなく砂漠を北へ向かう。
大人も子供もうつむいて一片の言葉さえない。
向かうその先に、オアシスを夢見る希望さえ感じない。
何処へ向かって歩いているのだろう。
昔々、人々の群れはいつも前を見つめて歩いていた。
そこに、ユートピア…理想郷があると信じていたからだ。
そして、そこへ行きつくと人々は疑問を持ち始めた。
理想郷は、人々から自由を奪い去る事に気がついた。
理想郷は、管理され管理する社会だった。
理想郷は、全体主義に覆われ始めた。
更に、理想郷が格差社会になった今、人々は立ち去り始めた。
それも、社会的な声なき弱者から・・・
感情のみが支配する現実から、逃避を始めた。
そして、彼らは今、歩き続ける・・・
都会の砂漠を、果てもなく・・・
その先にあるのは・・・
デストピア・・・
暗黒郷・・・
でも、暗黒の中にも一筋の光があるかも知れないから・・・
彼らは、歩き続ける・・・
どこまでも・・・
いつまでも・・・
(なんと、ネガティブな・・・。でも特定秘密保護法や集団的自衛権が社会の前面に出てくる現実は、ユートピアとは程遠い。すでに理想郷などは地球上にはないのだろうね。)