谷あいの小道を独りで歩いている。
蔦に覆われた蒼い洞門があった。
高さが3メートル程、入口は朽ち果てている。
この洞穴は何処へ続くのか…
子供の頃、江の島の洞窟遊びは得意だった。
真っ暗闇が怖くない。
闇の中で観光客を驚かせて、遊んでいた。
闇に眼が慣れて来た。
あたりがうっすらと輝いて見える。
ひかり苔がびっしりと岩肌に生きている。
この闇の自然界にも、生き残る命の選別の仕組みがある。
生き残る命の選択をするのは自然界なのだ。
この微かな光の中で、何百と言う生きものが、命を繋いでいるのだろう。
ダーウィンが進化論で、そんなこと言っていた。
そして今、ボクも生きている。
たった一度、生きている。
死んだら、もう二度とこの生命の世界には戻ってこない。
なんという不思議…。
これからはこの洞窟で生きるのか…
洞窟の生きものたちが、ボクを迎え入れてくれるだろうか・・・
ボクはそのみんなと共存出来るだろうか・・・
さて、その為に何をしようかな・・・
ボクは考える為に眼を閉じた。
(慌てて飛び起きた。夢の中になんだか別の世界があった。そう言えばサイクリングで大怪我して手も足も胸もシップと包帯だらけだ(笑)。そうか、夢の中で別の世界へ行きそうだったのか、そうとわかったら、慌てて覚めることもなかったのに(笑))