電車の側面にしがみついている
座席は空いていたけれど、座る気がしなかった
多分、周りの乗客と同じ空気が吸いたくなかったのだろう
電車は猛スピードで走る
ボクはしがみついているが楽しい
ボクの人生に似ているなぁとふと想う
闇雲に前に前に突っ走ってきた
何かにぶつかり脱線する恐怖も楽しみに変えた
目をろくに開けていないこともあった
ボクの乗る電車が目的の駅に停まった
暗く静まり返った法廷のような駅だ
ボクはここで被告になり、裁判官や弁護士や原告団に追及されたかったのだ
ボクと言う人生は何処から、どのように、どうしてこんな所まで来てしまったのか
今までの行動や動機や殆ど忘れ去っている情報を再提出してもらいたいのだ
どんな思考回路をもっていたのか
人生の時の流れを明確に知りたいから…
そう、ボクが欲しいのは、ボク自身の客観性なんだ
だから我流と言う名の電車に乗って
客観裁判所へ来たんだ
(長い間、主観的な人生を歩んでいると、ふと自分を客観的に知りたくなるものだ。
そんな時、それを教えてくれる師や友はいない。だったらそれを明確に判決してくれる
裁判所があったらいいよね。客観裁判所…デジタル時代には夢物語ではないかも)