洋上から見る島の山肌は、あかく染まっている
赤ではない、紅でもない、朱でもない
それはイタリアのパッション
ヴェスヴィオ火山の大噴火で失われた街
ポンペーイを覆い尽くした燃える溶岩流
その征服された大地の色こそポンペーイレッド
島の山肌は、すべてポンペーイレッド
島人の営みもポンペーイレッドの中にある
とてもうらやましい燃える色彩へのオマージュ
時代の影ばかり徘徊するボクの色彩は…ふと思う
クリエイティブな感性に明るさは無用と…
粋がっては見ても、時代は進む
ボクはボク自身のレッドを求める
赤…パッション…椿…侍の死…
なんだか血の匂いがする
紅…唐紅い…紅葉…水くくる流れ・・
黒ずむ血潮の幻影ばかり
朱…瑞々しい切り株…生きている…溢れる活力…
ボクは朱色に心が奪われる
血肉の色…エロティシズム…狂気への予兆…魂の深淵…
漆黒の大海原にチロチロと燃える漁火にも似て
朱の炎に生命が集まり、情念のマグマが生れる
エナジーの源流
一瞬、目の前がすべて朱色に染まったのは
ドーンパープルの東空に
神々しい太陽が現れた刹那だった
熱き色彩へのオマージュ
(夢の中に色彩が在るか否かはどうでもいい。それは感覚で感じるものだからだ。
感じたものを区別するのは個人的感性と価値観だろう。様々なレッドを楽しんだ一夜…なんと素晴らしき時の流れの一瞬…)