河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

夢の中で、いつもボクを待っている人がいる・・・

夕刻、物陰から一斉に影が這い出してきて、闇に染めて行く。

生命の苦悩と陶酔を、ふと感じる時だ。

ボクの周囲に秋の夜風がやってきて、汗にまみれた身体に巻きつく。

路上のカフェテラス・・・

ビジネスマンが、煙草の火をもみ消して、それでこの議論終わり・・・と言う顔つきで去って行った。

柔らかく、人を分けて歩いて行くのは勝ち相撲の力士だ。

危ない橋と分かって渡る娼婦が、商いの微笑を創っている。

そんな、人々の中にやはり、あの人がボクを待っていた。

夢の中で、いつもボクを待ち続けている人だ。

あの人を見かけると、ボクはいつも無駄に過ごしてきた歳月が胸に押し寄せてくる。

生活の重力に、男の美学がやせ細るのを感じる。

金も家も幸さえなく貧しくとも、死ぬ、その時まで楽しくすごせとの叱咤が心を満たす。

一寸先は光だよ・・と声が聞こえる。

あの人を見かけると、ボクはいつも同じ想念に包まれるのだ。

今も、あの人が待っている。

でも、ボクはボクの表情が分からない距離を保つ。

ボクは、あの人には何時も夢の中で待っていて欲しいと願う。

でも、これ以上は近づかない。

あの人は・・・ボクの母だから・・・

まだ・・・

まだ・・・

まだ・・・

(状況や場所は様々だけれど、夢の中でボクを待っている女性の存在は分かっている。時に彼女を見かけると心が安らぐ。そして来し方行く末を想う。その人は母なのだが、母だと確認したくない。確認したら、もう会えないと思うからだ・・・)