河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

千利休に、もてなしの心を聞いたが・・・わおっ!

小さな、にじり口を潜ると、そこは端整な茶室だった。

粋な和服の女性が2名、キチンと正坐している。

その向こうにはセンスの良い、ねずみ色の和服の男性が・・・

見渡すと、床の間の掛け軸には・・・

「四規七則」の文字が・・・

これは、茶道の千利休が、人をもてなす心を説いた言葉だ。

すると、この人があの千利休なのか!

じゃ、センスのいいお召しものこそ、利休鼠だ!

すげー

生れて初めて、本物の利休鼠の色を見た。

なんと言う色の深み、品格、光沢、地味の極み・・・

しかし、ボクは此処へどうやってタイムスリップしてきたのだろう・・・

まぁ、考えてもしょうがない。

とにかく、この場を取り繕わなくては・・・

その時、愕然とした。

ボクは正座が苦手なんだ。

というより、5分ともたないでしびれる。

神社の正式参拝で、何度も地獄の苦しみを味わったことか・・・

神社で地獄も、あり得ない話だけれど・・・

「楽にお座りなさい」

利休さんが、優しい声でボクを座らせた。

「一期一会・・・あなたは私の大事な客人です」

「私の四規は和・敬・静・寂」

それそれ、どこかで読んだことがある。

「私は客人を心からもてなします。なぜならあなたは武士です」

「いや、あの、ボクは放送作家ですが・・・」

「武士のあなたは、明日には死ぬかもしれませぬ」

「いや、ボクはまだ死にたくありませんし・・・」

「武士の命は儚い・・・だからこそ私は気配りを極めるのです」

こりゃ、まずいぞ・・・

ボクの疑心に暗鬼が群がって来た。

こんな時は、36計、逃げるに如かずだ。

ボクは利休さんが、お茶を点てている間に、脱兎のごとく逃げ出した。

お茶を頂いたら、死ななくちゃならない・・・

それはいやだ。

ボクは、時代劇のセットのような街中を、こけつまろびつ逃げ回っている。

結構、息も切れかかって眼が覚めた。

(夢には無限の可能性を秘めた世界観がある。時限を軽々と越えて、ボクを様々な所へ誘ってくれる。こんな素敵なエンターテイメントはないな。眠ることは何よりも楽しく重要なひと時なのだ。少なくてもボクには・・・)