ここは何処だろう?
広すぎる草原の中・・・
いや、背よりも高い叢(草むら)の中だ。
その中を歩いていると、甘美なかほりに気が遠くへ行きかける・・・
なんども・・・
最後の叢をかき分けると、そこはプールサイド?
いや、女性だけの秘密のクラブの水浴場のようだ。
岸辺では、黒髪の乙女が全裸の姿態を鏡に映している。
水辺では、金髪の裸婦が挙げた両腕を頭の後ろに組んでいる。
他にも金髪の裸婦たちが、想い思いのポーズで佇んでいる。
その顔はどれも、高貴さが漂い、決して興味を誘うようなものではない。
ツンと上を向いた乳房に輝きさえ感じる。
シュールな画家、ポール・デルヴォーが描く「水辺の少女」そのもののようだ。
ふと、気がついた。
全裸の女性たちの丸い丘には一様に、叢がないことを・・・
どの下腹部も、美麗な曲線で覆われ、叢も谷間もないのだ。
ボクの目の前の彼女たちが、なぜ好奇な美しさに満ちているのかが分かった。
見えざるものへの、崇高なる好奇心・・・
これこそが、エロティシズムの極致だ。
彼女たちの神々しい輝き・・・
ボクたちの神とは、このような存在なのだろう。
「うみやまあひだ」
ボクたちには、素敵な神々がいるんだなぁ。
目をあけたら、ドーンパープルの素晴らしい朝が見えた。
(現代の映像・雑誌のセックスの氾濫は、グロティシズムに他ならない。
小説、絵画、写真、雑誌記事…溢れかえるグロな世界の特集。煽情的なセックスの
誘惑に惑わされるのは、やめたいね。)