河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

人を斬るのが侍ならば恋の未練がなぜ切れぬ・・・

「人間の澄んだ心など信じない」

…男は言った。

心の中には藻にまみれた石や砂も必要だと…

確かに、水清ければ魚棲まずだなとボクも返した。

「魚の済まぬような水に何の意味があるものか…

人間も同じだ」

その男は吐き捨てた。

江戸 神田 お玉ヶ池

北辰一刀流道場

千葉周作…は遠藤周作に似た風貌だ。

ボクはマジマジと、そのお侍を見つめた。

あまり強そうには見えない。

彼はボクの事など眼中になく、タライで行水をすると…

伸びた月代を剃った。

更に髪に香をつけ、頬に紅をさした武士化粧…

なんだかホストクラブの開店前みたいだと、ボクは思った。

そして彼は刀を磨きたて、鯉口を開けて言った。

「いつでも命を捨てる覚悟がありやなしや・・・

人に勝つ道は知らず…

我に勝つ道を知りたし…

水増せば舟高し

困難に出会うとは、一段高みに進むことなり

人間は、自分の心にないものは見えぬ!」

千葉先生が気持ちよさそうに演説を始めた。

ボクは思わず逆らった…

「世に教訓をたれる輩多し

されど、教訓を悦ぶ人は少なし

ましてや、教訓に従う人は稀なり!」

千葉先生は抜刀し、しみじみ呟いた。

「加賀の国の住人、小松五郎吉兼が鍛えし業もの、わしには生涯手前と言う

強い味方があったのだ!

人を斬るのが侍ならば恋の未練がなぜ切れぬ・・・」

「やっぱり、千葉先生も…」

ボクと千葉先生は目を合わせて笑った・・・

(なんだか、どこぞやの村祭りの旅回り一座のドタバタ演劇みたいだった(笑)

実は、寝る間際に遠藤周作の「海と毒薬」をちらっと読み返した。

終戦記念日でもあることだし…その影響がこれ(笑) 夢は奇想天外でいいなぁ)