ビートルズやローリング・ストーンズの後ろから、寂しい歌が聞こえてくる。
人生の悲哀や哀愁を帯びた、悲しさを強調したメロディ・・・
演歌と呼ばれた。
1960年代は暗い時代だ。
高倉 健や菅原文太の任侠映画・・・
団塊の世代の大量の子供たち・・
そして、東京オリンピック・・・
ボクも、放送作家デビューした・・・
でも、1960年代は、一見華やかそうではあるけれど、暗黒時代の入り口だった。
確かに、それまで正当化されていたアメリカの人種差別は消えた・・・
・・・ように、見えた。
しかし、人種の法的平等は達成されても、現実の差別はより巧妙で・・・
より複雑で・・・
人種から貧富の差別へと移っていった。
格差社会の始まりだった。
ジャズは、決して楽しい音楽ではない。
悲しい事を楽しそうに装って唄う歌だ。
そして今、1960年代の人々が21世紀にたどり着いている。
将にたどり着いたのだ。
子供の頃から、タクシードライバーになろうとする人はいない。
たどり着いたのだ。
ホームレスはプライドをかなぐり捨てた人々だ。
なんとなく、1960年代を考えていた・・・
そして、はたと気がついた。
2010年代・・・
1960年代とそっくりじゃないかと・・・
(巡る、巡るよ、時代は巡る。喜びと悲しみを繰り返して・・・。だから60年代の大人たちが、なんとかしなければならない。子供たちに豊かな想像の翼をプレゼントしなければいけないのだ。クリスマスイブの夢。)