真夏の避暑地
海辺の道を10数人の女性たちを連れて歩いている
みんなボクに好意のまなざし
湘南ボーイのボクの日常
ビーチハウスに帰り、真っ先に裸でシャワー
そこへどやどやと女性たちが乱入
ボクに羞恥心はなく、彼女たちに違和感はない
このシーンから小説を書こうと机に座る
しかし、筆が先に進まない
そりゃそうだ
ボクの海辺の体験は記者の目であって
作家の視点ではない
作家にはシュールな視点が必要だ
トラックが0.1%の金を含む鉱石を積んでいる
トラックの任務は早く、沢山運ぶことだ
これは記者の目だ
トラックが着いた溶鉱炉は地獄の熱界
激しい炎で鉱石を溶かし、99.9%を捨て去り0.1%を集めて輝く純金にする
身体中を熱波に放り込み、言葉をねじり出し紡ぐ
これが作家
作家は溶鉱炉なのだ
作家として残りの一生をかけようと思う
一生とはなんだ
過ぎ去った日々…
これから訪れる日々…
違う
ボクの一生は今日1日だ
生きている今こそが一生だ
よし、筆を持とうか…
(書きかけの小説が遅々として進まず悶々としていた。そうか、今まで記者として素材集めは充分できている。次は作家としての視点に切り替えればいいんだ。非日常性の中の日常…ボクらしいシュールな視点で、今日の一生を過ごそう♬)