大都会・・・
NYのウォールストリートか・・・
そこに中世の石造りの館がある。
うす暗い玄関に架かったプレートには絶滅技術研究所。
ボクはそっと中に忍びこんだ。
最初の部屋では、白衣の科学者が遺伝子組み換えで、ネズミを牛にしている。
これからの人類の食糧危機を救済する為だそうだ。
IPS細胞やらSTAP細胞も使っているらしい。
隣では、ヒューマノイドロボットがすでに人間の代わりに研究している。
人類の絶滅危機をどう救うかが、テーマだと言う。
すでに、人類の命は意識をもったロボットに託されているのだ。
次の部屋では、人間の殺意について研究している。
善悪両有の人間は、たった一つの些細で、自らの殺意を正当化する瞬間がある。
殺人事件は、こうして起こるのだ。
大量殺戮の戦争も同じだ。
人間には、誰にでもその可能性がある。
夢の中を見れば分かる・・・とボクは考えた。
夢の中の殺意はいつも、自分の倫理観を越えている。
人が人を殺さない為に、戦争をしない為に殺意を絶滅させる研究が必要なのだ。
夢と言うのは、楽しいけれど怖いものだ。
で、自分が夢の中に居ることに気が付き、驚いて起きてしまった。
(イスラム国への空爆、アフリカの内戦、地球の様々な地域での殺戮を見ていると、人類は絶滅に向かって進み始めたとしか思えない。ターミネーター・テクノロジーの研究所は、人間の心の中にあるのかも知れない。)