秋祭りの太鼓がテンテケテン
合わせる笛がピーヒャララ
テンテケテンのピーヒャララ
テンツクテンのピーヒャラピーヒャラ
沢山の提灯や雪洞が灯った神社の境内
元気なテキヤのおっさんの口上
子供たちの嬉しそうな嬌声
ボクの大好きな場所
見世物小屋もまだ健在だ
焼きそば屋に人が群がっている
覗き見ると、そこには…
粋な茶渋の着物にキリッと、たすき掛け
結いあげの髪に枯れ枝のかんざし一本
小股の切れあがった立ち姿
凛とした涼しい目元
うなじの産毛が裸電球に照らされ銀色に光っている
背筋の通った、そばを焼く立ち居振る舞い
一服の名画だ
高市(タカマチ)の祭りには縁日が付き物だ
商売(バイ)一筋の正統派テキヤはごろつきなんかじゃない
粋でイナセな姉御の目を見りゃわかる
そばを焼きながら、子供連れの母親に目を細めている
人間の素朴な姿がここにある
日本人の郷愁がそこにある
任侠道を心得たヤクザも同じだけれど、仁義や義理は人さまの為にある
テキヤは祭りの演出家であり、役者たちなのだ
ボクはガキのようにいつまでも、テキヤの姉御に見とれていたかった
テンテケテンのピーヒャララ♬♫♬
(日本各地の祭りに縁日がもどって来た。すごく嬉しい事だ。
だいたい正統派のテキヤを暴力団扱いにするのは間違っている。
余りにも日本の文化を知らない司法、行政の人間が多すぎる。
誤解を恐れずに言うなら、テキヤは勿論、任侠道のヤクザは我が国の伝統文化なのだ)