鳥瞰で見えるのは、ボクの砂山
小さい頃から、独り遊びをしていた
そう、ボクはなによりも独り遊びが好きだったな
砂防林の松林に武器庫をこしらえ
まだ見ぬ敵との戦いを夢見ていた
砂浜にはカニや潮吹き貝や無数の海虫もいた
一人ぼっちは、寂しくはなかった
ボクの砂山に寝転んで、流れる雲を見るのも好きだった
同じ形の雲は、二度とないことも知った
その砂山に、誰かが寝転んでいるのが見える
あれは17歳のボクだと思った
だって、あの砂山に寝転ぶのはボクしかいないのだから…
17歳のボクは今、何を考えているのだろう…
自分勝手で、我がままで、頑固で、利己的で、気が強くて、陰湿で…
そんな自分に気がついて…
子供はみんな同じだよなと呟いて…
大人社会に迎合出来ない自分に気がついても…
このままで行こうと決心していたけれど
社会に出るのを躊躇している
17歳のボクは、あれはあれで結構真剣に生きていたんだ
砂山に寝転んで、空に染まる17歳の心…
(この砂山は子供の頃、ボクの空想の場だった。独り遊びには空想と言う素敵な時間がある。そして今ボクは、様々な衣服を身に纏って世の中に迎合しているけれど、中身はなんにも変ってはいない。海辺の大好きな悪ガキだ(笑))