河村シゲルの夢か現か日記

夢は自分自身で創る芸術作品、脚本・演出・セット・キャスティングなど全て1人で担当してます。「無意識の思考を意識に伝えようとしているのが夢」だと、あのフロイトが言っています。ボクは最近、夢を毎日見ています。だからもう一人の自分探しの旅のつもりで夢日記を書き続けることにしました。

これ、だれかにタカランチョ? アンチョ!

ボクは松林の中に居る。

想い出した・・・

ここは、ボクの遊び場だった松林だ。

10メートルに満たない松の木が数百本・・・

あると、思っていたけれど50本ほどかな・・・

この松林の中で、戦争ごっこをやったなぁ。

武器はニセアカシアの枝を削って作った刀と・・・

ヤツデの実を弾にしたゴムパチンコと・・・

手榴弾代わりの松ぼっくりだ。

そうだ、この先の梨の木の根元に、ボクの武器庫があるんだ。

近くには、落とし穴があるから気をつけて歩かないと・・・

でも、梨の木は見つからない。

ボクは松の木に登った。

戦争ごっこでは、松の木の上が、敵から隠れる重要な場所なのだ。

樹上に隠れていて、敵が来たらパチンコを撃つ。

敵の中には、弓矢を持った奴もいるので、気をつけなくてはだめなんだ。

もし、敵に見つかったら、松の木の枝から枝へ逃げ回る。

猿のように、木から木へ渡っていくのだ。

掴んだ枝を大きく振って、隣の木へ飛び移るのは面白い。

でも、今のボクには出来そうもない。

子供の頃は出来たのに・・・

しかし、今日の松林には友がいない。

その時だった・・・

「これ、誰かにタカランチョ?」

作ったばかりの、弓矢を持った少年が現れた。

「これ、タカランチョ?」

「アンチョ!」

ボクは、思わず叫んだ。

少年は、ボクに弓矢をくれた。

ボクは、少年にあげるものがない。

ポケットの中を探していると、少年が言った。

「エンガチョ!」

そう言って、少年は踵を返すと駈け出して行った。

その後ろ姿は、少年時代のボクだった。

(すばらしい夢を見た。ボクの子供の頃の遊び場・・・。今、あの松林は全て住宅地になってしまった。でも、タカランチョ、アンチョ、エンガチョ・・・ボクたちの言葉は、まだボクの中で生きているのだ。)