木枯らしが、雑木林の中にまで入り込んで冬を告げている。
小さな命たちは、肩をすぼめて温かな地中に潜りこむ。
あれほど青々としていた木々たちも、葉を燃やし尽くした。
今は、無駄なエネルギーを排除して裸の身を引き締めている。
池の水面も、木枯らしのざわめきを避けるように、薄く冷たい冬化粧。
まだ、紅みの残る落ち葉の裏に、すがりつく蝉の抜け殻・・・
過酷な原色のキャンバスの中・・・
独り逍遥し、この先を想う。
終の恋。
ついのこい。
終の恋にも、終わりはあるのか・・・
生きとし生けるもの、すべてに終わりがあるのならば・・・
恋にも終わりがある。
だから、恋は遂げてはいけない。
恋を死なせないためには、恋を終わらせてはいけない。
だから恋を遂げてはいけないのだ。
恋は、いつまでも未完成のままがいい。
温かな土に潜りこんで、そっとしているのもいい。
終の恋
ついに遂げ得ずとも・・・
(夢の中で、見つめた情景を書き留めてみた。多分、しばしば訪れる武蔵野の雑木林だろう。昨夜、ナイトキャップに詩人の別所真紀子さんの詩集を読んでいた。
眠りの中でも、すっかりその世界にいたようだな)