2014-01-01から1年間の記事一覧
小さな、にじり口を潜ると、そこは端整な茶室だった。 粋な和服の女性が2名、キチンと正坐している。 その向こうにはセンスの良い、ねずみ色の和服の男性が・・・ 見渡すと、床の間の掛け軸には・・・ 「四規七則」の文字が・・・ これは、茶道の千利休が、…
ボクは松林の中に居る。 想い出した・・・ ここは、ボクの遊び場だった松林だ。 10メートルに満たない松の木が数百本・・・ あると、思っていたけれど50本ほどかな・・・ この松林の中で、戦争ごっこをやったなぁ。 武器はニセアカシアの枝を削って作った刀…
「エイジ!もっと弾けろ!君なら出来る!」 「ユウナ!それだそれ、ランウエイの先でピストル構えたら、可愛いウインク入れよう」 「オゥ!サチコ、そのステップ最高!それで決めてこい」 ここは、サニーホールの舞台裏・・・ 美翔祭・トータルヘアーショー…
なんとなくラブレターを書きたくなった。 別に差しだす特定の人がいる訳ではない。 作家業は、時に意味もなく雑文を書いてみたくなるものだ。 ボクは、無精にラブレターを書きたくなった。 さて、何に書きつけようかな・・・ ワープロは味わいがない・・・ …
高層ビルの上層階にいる。 多分、この眺めは29階あたりだろう・・・ すると、ここは六本木の森タワービルだ。 新宿、渋谷、の都会が一握りの塊に見える。 そのずっと西には、丹沢山塊の美しい山並みが見える。 山なみの一番奥には、真っ白に雪化粧を済ませた…
高速道路を車で走っている。 見慣れた道路だが、周囲の景色に、まるで見覚えがない。 と、いうより日本じゃないようなのだ。 道の両側に、こんもり土が盛り上がった土葬の墓が沢山見える。 でも、道路の作りや標識の色やデザインは、東名高速道路と一緒なの…
小さな露天風呂に入っている・・・ 見上げると、空には満天の煌めく星たち。 温かな湯船に身を沈め、大きな吐息をひとつ・ふたつ・・・ しかし、この露天風呂の周りはうるさいな。 電車の音や、救急車、チンドン屋のラッパの音まで聞こえてくる。 まぁ、そん…
夜道を歩いていると、男の声が聞こえて来た。 何か、叫んでいるようなのだ。 続いて、女性のすすり泣く声も、漏れてくる。 とても悲しいそうな声なのだ。 どうやら、他所の家の中かららしい。 「いつまでも、泣いてるんじゃねー!」 「・・・・・・・・・」 …
なんだか箱根の大涌谷温泉か、下北半島の恐山みたいな岩場・・・ 硫黄の匂いが立ち込め、賽ノ河原まである。 地獄の入り口みたいだけれど、全く怖くないのはなぜだろう・・・ 地獄と言っても、どんなところだか想像できない。 子供の頃は、大人から悪いこと…
横浜の山下公園にいる。 ここの埠頭から港内の匂いを嗅ぐのが好きだ。 油と鉄さびと潮の匂い・・・ 子供の頃のアイスキャンディの匂い・・・ 匂いが誘ってくれる想い出が好きだ。 そして、この山下公園が好きだ。 なぜだかは、分かっている。 この山下公園は…
波の背中に乗って遊んでいる。 子供の頃から、独りで波と遊ぶのが好きだった。 沖からやって来た波が、浜辺で砕け散る少し前・・・、 波は必ず、柔らかく盛り上がり、ボクの身体を包み込む。 そう、今がその時だ。 ボクの身体は、まるで宇宙空間のように、ふ…
なんだか不思議な匂いのする街を歩いている。 古くて汚らしい画廊があったので入る。 歌川広重の浮世絵を見ている。 これは江戸の隅田川に架かる吾妻橋・・・ 広重、隅田川八景かな・・・。 大きな帆かけ船が積み荷を満載して行き交い・・・ 橋の上には商人…
テレビ局舎の廊下を歩いている。 なんだかペラペラの安普請・・・ 赤坂のTBSだな。 テレビ各局のビルは、外観はいいのだけれど、内装はどこも安普請なのはなぜだろうね。 なんて、考えながら歩いていると・・・ 後ろから、数人が走り寄って来る足音・・・ 振…
道端で、犬がオシッコをしている。 何匹も何匹も・・・ マーキング・・・。 縄張りを主張しているのだ。 ボクも仲間に入り、真似して、立ちションをしてみる。 しかし、だからと言って、ここがボクの縄張りとは限らない。 電信柱にやっても、電柱はボクのも…
論語って、別に嫌いじゃないな・・・ 子曰く。 「これを知るものは、これを好むものに如かず。」 この言葉が、高校生の時から好きだった。 ボクは、非常に好奇心の強い子供だったのだ。 なんでも、自分の身体でやってみないと気が済まない。 本当に、大人に…
夕暮れの街角に、オヤジが独りたたずむ・・・ 細かい雨が霧のように、オヤジを包んでいる。 「おれは、何の為に生きているのだ・・・」 生き甲斐・・・ 言葉でなく、確かなものがほしい。 「ひとはなぜ、嘘をつく・・・」 誰が決めた、面倒なごみの分別・・…
とにかく広い草原にいる。 あちこちに起伏があるが、大きな山はない。 ここは、モンゴルなんだろうなぁと思う。 これから歩いて行く方向が分からないから磁石を見る。 東西南北・・・ アジア圏の国々の地方には、なぜ東と言う字がつくのだろう・・・ ふと、…
暗黒の世界に、一筋の光明が見える。 ボクは、手探りでそちらに向かって歩く・・・ このまま、目を閉じて眠ることも出来る。 しかし、それがボクの世界の終わりかも知れないのだ。 今は、世紀末なのだ。 ノストラダムスが地球の消滅を予言している。 この暗…
六本木4丁目辺り・・・ 黒崎ビルの斜め前に、あたらしいビルが出来た。 ボクはその7階にショップを出した。 世界中のお茶を売るつもりだ。 全面がガラス張りで、そこにポスターカードなどをお洒落にピンナップしてある。 となりは美容室らしいが、まだ経営者…
筒井康隆の「繁栄の昭和」が読みたいが、本屋が見つからない。 いつもは何処にでもあるのに、必要な時には本屋がない。 その時、閃いた。 そうだ、アマゾンがあるじゃないか・・・ アマゾンの特急便なら、その日の内に届く。 便利だなぁ・・・ と、考えてい…
ボクの目の前に裸婦がいる。 黒髪のヘアースタイルは丸みを帯びたボブ・・・ 眉毛は細く鋭く・・・ 鮮烈なアイラインの内に光る、青白い瞳・・・ その瞳より更に蒼く輝く全身の肌・・・ 彼女は自堕落にチェアーに半身を委ね、コンクリートの窓辺にいる。 窓…
後楽園ホールだと思う。 客席の下のフロアーにリングが作られ、反対側と左右も仮設の客席だ。 リングだけにスポットライトが煌煌と当てられて、客席の顔は見えない。 ボクは青コーナーの椅子に腰かけ、トレーナーのマッサージを受けている。 赤コーナーには…
ローマの大通りを、ボクたちが歩いている。 7人のツアーなのだけれど、いつもメンバーがころころ代わっている。 仕事仲間だったり、ヨット仲間だったり、幼友達だったり・・・ でも、常にボクをいれて7人のツアーなのだ。 道端の、こじゃれたカフェでランチ…
新宿駅から乗った、山手線の車内・・・ エヴァンゲリオンのワンシーンのようなセピアカラー。 向かいの席に座っている女子高生、おっさん、おばさん、サラリーマン・・・ 全員がスマホやガラケーを握りしめて、うつむいている。 無表情な小さな世界・・・ な…
コンビニに居る。 ふと…足元を見るとコインが落ちている。 拾って見たら100円だった。 更に…床を見ると・・・ まだ…落ちているではないか。 ボクはしゃがみ込んで、そのコインを拾おうとした。 コンビニの床は、ウッドのタイル張りのようになっていて、その…
倉庫が連なり、重油とドブ川の匂いがする・・・ 錆びついたブイの鎖にカモメが数羽とまっている。 波止場だ。 なんだか、東映の極道の映画の舞台のようだと思っていたら・・・ ほんとうに極道たちがいた。 黒い義理服を着た集団である。 「おやっさん、言う…
頭の中を、様々な想いが駆け巡っている。 新しいYoutube映像企画案・・・ 放送作家志望の若者達に教えたいこと・・・ 年末のイベント演出案・・・ ボランティア・サポート・・・ 見たい映画・・・ 美味いカキフライが食べたい・・・ 格闘技の稽古に行こう・…
伊豆半島が伊東の辺りまで、くっきりと見えている。 小田原の街なみの上空には冠雪の富士山が、天空に届いている。 箱根の連山から、左へパーンすると天城の山々が香るように美しい。 正面の海面の彼方には、大島から利島、式根島あたりまでの島影も望める。…
上野駅の公園口改札を出た。 今年のリレーフォーライフは終わったことに気が付く。 では、ボクは何をしに来たのだろう? そうだ、北海道へ行く飛行機のチケットを買いに来たんだ。 駅の周辺を探すが、記憶の店がない。 もしかしたら、記憶そのものがないのか…
東京・銀座のすずらん通り・・・ 銀座通りから、有楽町側へ一本入った50メートル程の垢ぬけた街。 ボクたち湘南ボーイには、この街がファッションの教科書みたいな街なのだ。 vanも junもモトキもある。 洒落た喫茶店やライブハウスもある。 そこにはジャズ…